吾亦紅

DESIGNER INTERVIEW

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LARZ HARRY and AIDA KIM

MAN-TLE

Q:まずはお二人でこのブランドを始めたきっかけを教えてください。
二人ともファッション関係の仕事をしていたのですが、ファッションからやや離れて、もう少しプロダクト的な服を作りたいという発想からリサーチを始めました。“シャツを作る”ということは最初から決めていました。それで、「どのような素材で作ろうか」となったときに理想の生地に出会ったので、「じゃあ、ブランドをスタートしよう!」ということになりました。やろうと思った当初から高密度の硬いシャツを作りたい!と二人とも思っていたんです。
Q:LARZさんがロンドンの有名なセレクトショップ、Dover Street Market Londonで販売員として働いた頃、Aidaさんは何をしていましたか?
私は実はDover Street Market Ginzaで働いていました。元々コム・デ・ギャルソンで働いていたのですが、 Dover Street Market Ginzaのオープンに合わせて移り、LARZもロンドンから来ていて。そのときに出逢いました。
Q:吾亦紅でも取り扱いのあるNicholas DaleyはDover Street Market時代の同僚ですよね? 今はお二人ともデザイナーとして活躍しているのは必然的だったと思いますか?
僕らがDover Street Market にいた頃からニコラスはデザイナーになろうと決めていたけど、僕はまったく考えていなかったね。当時の同僚の多くがデザイナーになったよ。チャーリー、イザベラ、オリビアとかね。あと、エディターや俳優、女優になった子たちもいる。元同僚はみんな刺激的な存在だよ。結果的にたまたまそうなったけど、今考えるとゴールデンエイジ、ゴールデンタイムだったのかもね。当時の同僚たちは皆、それぞれの夢を描いて次のステップへと進んだ。販売員はキャリアではなく、自分の人生のゴールへの通り道だったんだ。
Q:ブランド名の「MAN-TLE」ですが、そもそもの「マントル」とは地球の核、を意味しています。ブランド名にはどんな意味が込められているのですか。
地球の中は核、マントル、クラスト、とレイヤーになっています。ちょうど真ん中の核を囲んでいるのがマントルです。マントル自身は非常に密度の高い構造になっているので、私たちのブランドでも同じように密度の高い生地を使っているので、そういう意味を込めています。あと、「Man」は英語で人、「Tle」は韓国語で型(カタ)を意味しているので、“人の型”、人をレイヤードしているという思いもありますね。
Q:お二人の拠点はオーストラリアですが、次のシーズンの生産は日本ですよね。オーストラリア産ではなく日本産にこだわる理由を教えてください。
最初のアイデアではすべてオーストラリアで生産することだったのですが、予定通りに進まなかったので、元々私たち2人が住んでいた日本で生産を行うことになったんです。日本の職人技は信頼できますし、縫製もとてもきれいです。出会った生地が静岡産だったこともあり、オーストラリアにわざわざ送って作るよりは日本で生産した方がコスト的にもセーブでき、自然とそうなりました。
オーストラリアではデザイン作業だけ行っています。
Q:オーストラリアのファッションについてどう思いますか?
オーストラリアのファッションはライフスタイルと密に繋がっているので、トレンドというよりは着やすくて長持ちするアイテムが喜ばれます。MAN-TLEはオーストラリアのブランドですので、もちろんオーストラリア国内にもっと力を入れて認知度を上げていきたいという目標はあります。
Q:MAN-TLEのプロダクトの一番の特徴でもある、高密度に織り上げられたコットン地をパラフィン加工する、というアイデアはどこから生まれたのでしょうか?日本のライフスタイルの中では、あれほどパラフィン加工されてガチガチの生地を着用するイメージがないのでとても面白いと思いました。
オーストラリアでは、元々ディーゼルから来ているオイルによるオイルコーティングがウォータープルーフで人気です。私たちはロングライフ(長持ちすること)とテクスチャーを重要視しているのですが、パラフィン加工を選んだのはテクスチャーが非常にユニークだったのと、着ていくほどに味が出てくるので、着る人に楽しんでもらえることが面白いと考えたからです。
Q:クリエイションすべてに通じて感じることなのですが、一つ一つのアイテムの見せ方や付属の使い方、色合いが、日本や欧米にはないオーストラリア独特の風土を彷彿させます。特に色合いは、オーストラリアの土着的な植物や建築物、音楽、空の色のようですが、インスピレーションに含まれていますか?
オーストラリアでデザインをしているので、自然と自分たちが毎日、目にしているものが色合いや形に反映されているとは思います。私たちにとってはとても自然なことですが、他の国の方々からは、「他では見られない色だ」とよく言われますね。オーストラリアを拠点にしている理由はデザインをピュアに考えられる環境があることと、Larzの両親が工場を持っていて、その中に私たちのオフィスがあるので、メタルやハードウェアで色々と試行錯誤できるのです。
Q:前シーズンのSHIRT-3はオーストラリアの軍服がデザインソースで、付属のボタンは米軍が使用しているもの、そしてボタンを留めるストラップは車のシートベルトを使用しているそうですね。
はい、先シーズンのSHIRT-3はオーストラリアの軍服にインスパイアされました。シグネイチャーモデルのSHIRT-1には、車のシートベルトと同じ素材を使用しているのですが、これも頑丈で長持ちすることを考えているからです。
Q:シャツをたたむ際に使用しているゴムに付属しているシルバープレートに記載されている「R」の意味を教えてください。
「R」はRangeの略で、チャプターと同じような意味合いです。最初のコレクションが「R1」なので、この次の秋冬コレクションが「R3」となります。シルバーのプレートはLARZの両親の工場で作りました。
Q:去年ブランドを立ち上げてこの秋冬で3シーズン目となりますが、日本でも世界でも既に良いセレクトショップで取り扱われていますね。海外でのマーケティングに関して意識していることはありますか?そして、日本のマーケットにおいて今後の新規取扱いなどの展望はありますか?
一番大事なのは私たちのストーリー、商品を理解してくれるショップに扱ってもらうことだと考えています。今取扱いのあるショップは自分たちで話に行き、先方も私たちの商品を気に入ってくれて置いてくれることになりました。とても自然でオーガニックな流れでした。吾亦紅も同じです。LARZはオープンしたときから吾亦紅のことを絶賛していました。今後も同じように進めて行くつもりです。もしも新しいショップが私たちにアプローチしてきたら、実際に訪ねてみて話を進めていきます。私たち二人が“好きだ”と思うところに置いてもらうことが前提なのです。
Q:世界的に有名なパリのセレクトショップ“Colette”も今年の12月に閉店が決定し、アパレル市場は景気が悪い時代ですが、今後のファッションの可能性と、今後、デザイナーに求められているものは何だと考えますか?
物が溢れている時代ですが、クオリティが高く、長い間付き合っていける服を作っていきたいので、質の良いものづくりをしていくことが最も大切だと考えています。そもそもファッションをやりたいと思ったことがなくて、プロダクトとしてモノを作りたいと思ってやっています。だからトレンドも意識したこともないし、アパレルショップを見て回るということもしない。ファッションのように時代に流されてしまうものではなく、しっかり作られて長い間、大事に着られる、ハイクオリティなものづくりに価値があると信じています。
Q:オーストラリアの友人であるフィルが、今回のストアイベントでDJとして回してくれることになっています。特別にプレイリストを作ってくれたそうですね。どんな音楽になるのでしょうか。
フィル:いつもはクラブでかけるためにもっとヘビーな選曲を頼まれるのですが、今回はアンビエントのセットを用意しました。店の中で心地良く、お客さまがいる間、アイテム選びの妨げにならないようなセットです。服のためですが、店を訪れる人たちに温かくリラックスした気分を味わってほしいと思いました。いつもとは違うタイプの音楽だったので、セットを作っていてとても楽しかったです。いつも周囲の環境や自然からインスパイアされるのですが、今回は東京の駅、そして鳥のさえずり、といったように現代社会と自然社会との繋がりにインスパイアされました。実際に外の音を録音するのですが、それをリメイクするようにしています。スローな音楽と自然の音。服も音楽も、すべてのクリエイティブな仕事は周囲の環境へのレスポンスですね。
Q:ギャラリースペースには写真も飾られていますが、この写真についても聞かせてください。
残念ながら今回フォトグラファーは来日できなかったのですが、この赤い写真は実は私たちのコレクションを見て、彼がインスパイアされて撮った1枚なんです。木の写真は彼の代表的なスタイルです。車の写真も彼が私たちのコレクションを見た後にこの車を見て、私たちを思い出してシャッターを押したそうです。
Q:今年ご結婚なさったそうですね。おめでとうございます!クリエイションやライフスタイルにおいて何か変化はありましたか?
特には(笑)。何も変わらないですよ。あるとしたら、もっとハッピーになったことですね!

BRAND:「MAN-TLE」
DESIGNER:LARZ HARRY, AIDA KIM
MAN-TLE.COM/
INSTAGRAM @mantle_official

Q :(インタビュー後)澤村について、どんな印象をもっていますか?
彼と知り合う前からがこの吾亦紅が好きだったので何度か訪れたことがあって、やっと今シーズン、彼とパリで会うことができました。彼はとても変わっているね(笑)。でも、ポジティブでとても強いカリスマ性と良いエナジーに満ち溢れた人だと思いました!そこに二人とも引かれています。
Q : What made you two start your brand together?
Both of us were in fashion industry for a while, but wanted to separate ourselves from fashion and create products. So then, we started our research. Making shirts was something that we always had in mind from the start. We started thinking about the materials to use, found our ideal fabric and started our brand. From the beginning, we both wanted to create high density shirts.
Q : When Larz was a sales associate at one of the most notable select stores in London, Dover Street Market, what were you doing Aida?
I was a sales associate at Dover Street Market Ginza. Before DSM, I was at Comme des Garcons. When DSM Ginza opened, I was transferred there and Larz was also there from DSM London. That was how we met.
Q : Nicholas Daley, which his brand we carry in our Ware-Mo-Kou store, was also your ex-coworker at Dover Street Market, right? Do you think that both of you successfully working as designers was meant to be?
When we were at DSM, Nicholas was already planning to become a designer, but I wasn’t. Actually, so many of DSM staff like Nicholas, Charlie and Olivia, became designers. Also, some people became editors, actors and actresses. Everyone was inspirational. It just happened to be like that, but when we look back now, we think that it was the golden time. Many of us were determined to fulfill our dreams. Working as a sales associate was not our career, but just a path to our goals.
Q : How did you come up with the brand name “MAN-TLE”, which means a layer inside Earth? Is there any special meaning behind the brand name?
Internal structure of the Earth is layered in crust, mantle and core. Mantle is the layer which surrounds the core and it has a very high density. We took this word as we also use a very high density material. Also, if you breakdown the word MANTLE, “MAN” means human in English and “TLE” means shape in Korean. So our brand also have a meaning of “MAN’S SHAPE”.
Q : You are both based in Australia, but your items from next season are made in Japan. Why are you particular about “Made in Japan”?
At the beginning, our idea was to produce everything in Australia, but it didn’t go well as we planned, so we decided to do it in Japan instead, where we both used to live. We knew we can rely on Japanese craftsmanship and their beautiful sewing technique. Also, the fabric we found was from Shizuoka and we realized that it would be cheaper to produce in Japan than to import it to Australia. Only the design process is done in Australia.
Q : What do you think about fashion in Australia?
Fashion in Australia is closely linked to lifestyle, therefore easy-to-wear items are always favored over trendy items. MAN-TLE is an Australian brand, so our goal is to always increase the brand awareness in our country.
Q : The most unique feature of your items is paraffin wax coating, but where did this idea come from? It was very interesting, because we hardly see these materials in Japan.
In Australia, oil coating is a popular technique to make the fabric waterproof. We heavily place our importance on durability and texture. We chose Paraffin wax coating because we thought the texture is really unique and also wanted people to enjoy the beautiful features that appears over time.
Q : When I see the whole creation, all the characteristics such as presentation, embellishments and colors, reminds me of natural features of Australia. Especially the colors reminds me of Australia’s native plants, architectures, music and sky, but is your design inspired by these?
We design in Australia, so I guess what we see everyday are naturally reflected into the colors and shapes. It is normal for us, but we hear a lot from people in other countries that they do not often see those colors. The reason why we are based in Australia is because there is an environment that we can purely think of design. Also, Larz’s parents owns a factory, where our office is also located, so we can try and explore new metals and hardware as much as we like.
Q : SHIRT-3 from the previous collection was inspired by Australian army uniforms, features same buttons as US army uniforms and the straps to tie those buttons were made from car seatbelts, correct?
Yes, SHIRT-3 was inspired by Australian army uniforms. Our signature style, SHIRT-1, features materials of car seatbelts, which makes it durable and long-lasting.
Q : There is a letter “R” on the silver plate attached to the rubber, which is used to fold the shirt. What does this “R” mean?
“R” stands for Range and it has the same meaning as chapter. The first collection was “R1”, so the next F/W collection will be “R3”. The silver plates were manufactured at Larz’s parent’s factory.
Q : It will be your third collection this F/W season, since you launched your brand last year and so many great select stores in Japan and across the world have already been carrying your items. How do you manage overseas marketing? Also, do you have any plans to expand distribution in Japan?
The most important aspect is to work with stores that understands our brand story and product. The stores that we work with now are those that we directly went to speak with and who loved our products. It was a very natural and organic flow. That was the same with Ware-Mo-Kou. Larz really liked your store from the very beginning. We will be working in the same way in the future. If a new store approaches us, we will visit them first to talk. It is very important to place the products in stores that we both love.
Q : One of the most prestigious store in the world, Colette, will be closing this December. Economy in the fashion industry has been facing difficult times. What is the potential of fashion and what do you think is required in designers from now going forward?
We are living in the age where we are overloaded with things. Thus, we believe that making high quality clothes that can be worn for a long time is the most important. In the first place, we never wanted to do fashion, but wanted to create products. That is why we never thought about trend or went to check retail stores to research. We believe that value lies in carefully making high quality products to achieve durability and not making clothes that are just influenced by trends.
Q : Your friend, Phil Stroud from Australia, will be spinning at our instore event. I heard that he is preparing a special playlist just for us. What kind of music will it be?
(Phil joins the interview): I usually play at the club, so it’s a heavier playlist, but it will be ambient set this time, which is comfortable to the ear and will not distract the customers while they shop in the store. The music is for the clothes, but I want people to feel warm and relaxed. Although it was not the usual music I play, I really enjoyed making it. I am usually inspired by the surrounding environment or nature and this time, I was inspired by Tokyo’s train station, birds’ sounds and everything that connects modern society and natural environment. Sounds and noises are actually recorded outside and I put that into my music. Slow music and nature’s sound. All the creative works like clothes and music are responses to the surrounding environment.
Q : Could you please tell us about the pictures displayed in the gallery space?
Unfortunately, the photographer couldn’t make it to Japan this time, but the red colored picture is the one he took after being inspired by our collection. The photos of the trees are his representative work. The photo of the car was also inspired by our collection. When he saw the car, he thought of us and took it.
Q : At last, congratulations on your marriage this year! What are the biggest changes in terms of creation and lifestyle before and after the marriage?
Nothing has changed actually… but happier ☺
(After the interview) So, what kind of person is Taisuke Sawamura to you?
I had visited Ware-Mo-Kou store several times before I met with Mr. Sawamura and we were finally able to meet in Paris this season. He is different (lol). But he is charismatic, has positive vibes and full of good energy! That is why we are both very attracted to him.

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